公共の利益にかなう場合のXでの例外措置について

公共の利益とは

Xルールに違反するコンテンツや行為について、Xでは明確なポリシーを策定しており、Xルールに違反するコンテンツやアカウントに対しては、然るべき措置を取ります。しかし、公共の利益にかなうポストについては、Xポリシーに違反するものであっても、削除せずにユーザーが表示できるようにしておく場合があります。Xでは、コンテンツが社会的関心事の理解や議論に直接的に寄与するものである場合、公共の利益にかなうとみなしています。

選出議員や政府関係者のポストのうち、通常であれば削除すべきものでも、例外的に残しておくことがまれにありますが、公共の利益として重要であることが認識され、行為や声明について議論できるものに限られます。ただし、ルールに違反していることを説明した警告をポストの手前に配置し、クリックするとそのポストが表示されるようにしています。ポストの手間に警告が表示されている場合、そのポストへのエンゲージメント(いいね、リポスト、またはXでの共有)も制限され、Xのアルゴリズムにより他のユーザーにおすすめされなくなります。これらの措置により、そうしたポストの拡散を抑えると同時に、一般のユーザーがそれを表示し、議論できるようにする余地を残しています。


公共の利益にかなうとしてポストへのアクセスが認められる場合とは


Xルールに違反するポストが公共の利益にかなうかどうかは、以下の基準とプロセスを用いて判断しています。
 

例外の基準
 

  1. ポストが1つ以上のXルールに違反している
  2. ポストが著名なアカウントによって共有されている 
  3. 以下のいずれかに該当する、地方、州、国家、または超国家の政府や議会の現職または候補者のアカウントである
    1. 政府または議会において、指導的立場に選出または任命され、現在もその職に就いている人物
    2. 政治職の立候補者または被指名候補者
    3. 登録されている政党
       

プロセス
 

  1. Xのグローバル対応チームが、上記の基準を満たすポストをTrust & Safetyチームにエスカレーションし、二次レビューが実施されます。

  2. Trust & Safetyチームがポストを評価し、そのポストへのアクセスを引き続き許可することが公共の利益となるかどうかに関して推奨事項を作成します。これには、地域の背景情報や、現実世界での何らかの被害の可能性への考慮が含まれます。詳細については、以下の説明をご覧ください。 

  3. Trust & Safetyチームのシニアリーダーがポストを削除するか、または警告を表示するかの最終的な判断を下します。

 

有害なコンテンツが拡散する危険性と公共の利益とのバランス 


公共の利益にかなう場合の例外があるとはいえ、公職に就く人物なら誰でも、たとえXルールに違反していても、思うがままにポストできるというわけではありません。ポストを削除するか、またはその手前に警告を表示するかを判断する際は、そのポストが持つ有害性の潜在的な危険度や重大度と、公共の利益としての価値を踏まえて検討します。危険性の方が高い/重大である場合は、例外措置を取る可能性は低くなります。以下の場合は、違反しているポストに警告が表示される可能性が高くなります。

  • ポストが公の議論または抗議の呼びかけの一部として、他の政府職員、選出議員、または機関に向けられたものである
  • ポストに、作成者や対象者の公的な役割に関して大きな論点になるものが含まれている
  • 進行中の地政学的事件や問題に関する重要な情報がポストに含まれている
  • 公の記録としてコンテンツを保持することに、証拠や説明責任としての価値がある
     

以下に該当する場合、ポストの手前に警告を表示するのではなく、削除する可能性が高くなります。

  • ポストに特定の個人や集団に危害を加えかねない行動を誘発する声明が含まれている
  • ポストに個人の基本的人権の行使を直接的に妨げるような情報が含まれているか、ポストがそうした行為に関わっている
     

こうした判断は、明確な二者択一であるべきだと思われるかもしれませんが、実際そうすることは不可能です。Xを使用して、世界の指導者が有権者や他の指導者と直接コミュニケーションをとり、時に政策を発表しています。こうしたサービスはこれまでに例がなく、あらゆる判断が今後の先例となっていきます。Xでは、一つひとつの事例を個別に、かつ状況や経緯を踏まえて評価することが重要であると考えています。これからポストの評価、判断を重ねていくうちに事例が蓄積され、両者の見極めが容易になっていくでしょう。

以下の表は、Xルールの範囲に基づいてポストを削除するか、または警告を表示するかの判断方法の背景にある考え方をわかりやすくまとめたものです。Xの他のポリシーと同様に、Xルールを適用する際は現地法を尊重し、表現の自由などの原則とバランスを取っていきます。公共の利益にかなう場合の例外措置がコンテンツに適用されても、特定の国におけるコンテンツの表示制限のポリシーに定める現地の適用法を引き続き順守します。
 

例外措置を取る可能性が低い場合
 

テロ行為と暴力的過激主義:  テロ行為や暴力的過激主義をほのめかすことや助長することは禁じられています。 

Xでは、不法行為に加担し、助長する、テロ組織や暴力的な過激派組織および個人を排除します。こうした組織の活動による深刻な物理的被害を考慮して、公共の利益にかなう場合の例外を適用しないことが想定されます。 

 

暴力:  個人または集団に向けた暴力をほのめかす脅迫は禁じられています。暴力を賛美することも禁止します。 

暴力をほのめかすまたは賛美するコンテンツは、Xルールで対処すべきであるきわめて重大かつ直接的な被害をもたらす可能性があるため、公共の利益にかなう場合の例外は適用されないでしょう。特に、コンテンツが現実世界での実害や潜在的な被害につながりうる証拠がある場合は、そのポストを削除します。非常にまれな例として、実際の暴力被害が発生する可能性が低い場合や、Xが唯一の情報ソースである場合は、コンテンツに公共の利益にかなう場合の例外を適用する価値があると判断することがあります。

 

違法または特定の規制物品/サービス: 非合法な目的で、または違法な活動を促進させるためにXのサービスを利用することを禁じます。これには違法な物品・サービス、および特定の種類の規制物品・サービスの販売、購入、または取引の促進が含まれます。 

現実世界での被害の可能性に対処する取り組みとして、Xを使用して何らかの違法行為を行うことや、非合法活動を促進することを禁止しています。まれな例として、コンテンツを公の記録として保持することが重大な証拠や説明責任として価値がある場合、そのコンテンツの手前に警告を表示することがあります。

 

自殺または自傷行為: 自殺や自傷行為を助長または推奨することはできません。 

自傷行為に関するコンテンツによる、自傷行為の社会的伝染は、X上で発生しうる重大かつ直接的な被害であり、現実世界での被害を及ぼす可能性が高いため、公共の利益にかなう場合の例外が適用されることは少ないと考えられます。公的な人物同士の公の議論の中でなされた、相手に対する大げさな政治的声明については、そのコンテンツの手前に警告を表示することもあります。しかし、コンテンツが私的な人物を対象にしている場合や、現実世界での被害につながる可能性がある場合は、そのポストを削除する可能性が高くなります。

 

選挙活動の阻害: 選挙の操作や妨害を目的としてXのサービスを利用することを禁じます。これには、有権者の投票を抑制するようなコンテンツや、投票の日時、場所、方法について誤解を招くコンテンツのポストや共有が含まれます。 

選挙に自由かつ公平に参加することは基本的人権であり、Xでは他人が選挙に参加することを妨げる活動、または参加について誤解を招いたり参加させないようにしたりする活動を、重大な被害とみなしています。公職に就く人物が暴力的なコンテンツを共有していたという事実には大きな公共の利益があるかもしれませんが、そのコンテンツを見たユーザーが誤解したり、影響を受けたりした場合の被害の重大度を考慮すれば、そうしたコンテンツをプラットフォーム上に残す可能性はきわめて低いでしょう。

 

個人情報: 他の利用者の個人情報(自宅の電話番号や住所など)を、明確な許可を受けずに公開またはポストすることは禁じられています。同様に個人情報を公開すると脅迫する行為、または他者にこれを促す行為も禁止します。

個人情報の共有により、Xの内外で重大かつ直接的な被害が発生する可能性があるため、被害者を守る必要性を考慮して、公共の利益にかなう場合の例外が適用されることはないと考えられます。ただし、公職に就く人物が暴力的なコンテンツを共有するよう脅迫しているという事実に大きな公共の利益がある場合、個人情報そのものを表示しない形で例外措置を取ることがあります。
 

例外措置を取る可能性が高い場合
 

ヘイト行為:  人種、民族、出身地、性的指向、性別、性同一性、信仰している宗教、年齢、障碍、深刻な疾患を理由とした他者への暴力行為、脅迫、嫌がらせを助長するコンテンツこれには、法的または社会的に守られるべき特性を理由に、特定の人々を非人間的に扱ったり、そうした人々への恐怖心を煽ったりするコンテンツが含まれます。

Xは、有力者に直接アクセスできることに価値があり、公の記録としてしっかり残すことが、説明責任を果たすことにつながると考えています。この価値は、ポリシー違反による現実世界での実害または潜在的な被害の可能性と重大度を踏まえて検討されます。たとえば、公の議論の一部としてなされた政治的声明については、そのコンテンツの手前に警告を表示する場合があります。Xでは、ヘイト行為を判断する際はさまざまな要素を考慮しており、現実世界で実害が発生することや、被害の可能性があることを示す根拠に基づいて、当該コンテンツの表示される機会の抑制や、当該コンテンツの削除などのペナルティを決定します。

 

攻撃的な行為および嫌がらせ:  特定の人物に嫌がらせを行ったり、そのような行為を煽ったりすることはできません。これには、大量殺人など多数の死傷者を伴う事件について、その発生が事実として確認できる場合、こうした事件の発生を否定するようなコンテンツを攻撃の文脈で共有することや、他人を苦しめたり、おびえさせたりする目的で、攻撃的な侮辱を行っているコンテンツを公開することが含まれます。

Xは、政府職員および選出議員に直接アクセスできることに価値があり、公の記録としてしっかり残すことが、説明責任を果たすことにつながると考えています。この価値は、ポリシー違反による危害の重大度と現実世界での被害の可能性を踏まえて検討されます。たとえば、公共政策をめぐる議論が白熱して侮辱的な表現が飛び交うことがあります。そうしたコンテンツが政治的文脈に何ら関係なく、私的な個人に向けられたものである場合は、そのポストを削除する可能性が高くなります。

 

センシティブなメディア:  死、暴力、または深刻な身体的損傷に関して写実的、凄惨に描写されたあらゆる画像/動画の共有、または、残酷な目的での暴力的なコンテンツの共有を禁じます。 

Xは、有力者に直接アクセスできることに価値があり、重要な歴史的事件を公の記録としてしっかり残すことが、説明責任を果たすことにつながると考えています。この価値は、ポリシー違反による実害または潜在的危害の可能性と重大度を踏まえて検討されます。

注記: 児童の性的搾取、合意のない裸体の描写、ならびに強姦及び性的暴行に関する画像/動画が被害者に与えうる深刻な苦痛を考慮して、公共の利益にかなう場合の例外を適用しないことが想定されます。さらに、著作権を侵害している素材が用いられている場合、そのコンテンツは手前に警告を表示するのではなく、削除します。